トップページ > 新型コロナに対する免疫力検査:抗S抗体検査(抗スパイク抗体検査)
免疫とは疫病から、免れる(まぬがれる)と言う意味。一度かかった伝染病に二度はかからなくなる「二度なし現象」のも免疫。
ジェンナー(イギリスの科学者)はこの概念を実践し、世界で初めてのワクチンである種痘法を開発して、天然痘を地球上から撲滅しました。
現代では、もう少し広い概念で、「体内に病原体が侵入した時、あるいは、がんのようなものが発生した場合に、これを選択的に排除しようとする機能(自己の生存にとって不利益な外敵から自分を守る仕組み)」を免疫と呼んでいます。
免疫には自然免疫と獲得免疫があります。病原体やがん細胞をいち早く察知して働き始めるのが「自然免疫」。病原体やがん細胞の特徴を調べてから特異的に総攻撃するのが「獲得免疫」。
自然免疫に関与するのは、好中球、マクロファージ、樹状細胞、そして、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)。これらの免疫細胞は病原体(細菌やウイルスなど)やがん細胞を無差別(非特異的)に食べたり、細菌やウイルスに感染した細胞やがん細胞を壊したりすることで、病原体やがん細胞の増殖を防ぎます。
獲得免疫は自然免疫よりも数日から数週間遅れて機能しますが、細菌やウイルス、がん細胞に対して、より特異的で強力な免疫を発揮しする。また、一度かかった病原体を覚え、すばやく免疫反応を起こし、一度かかった伝染病に二度はかからない「二度なし現象」を担当します。
ウイルスに感染(自然感染)すると、ウイルスに対する免疫ができて、再感染を予防します。この現象は「二度なし現象(一度かかった伝染病に二度とかからない現象)」と呼ばれています。
すなわち、人間の体は、一度かかった病原体を覚え、二度目に病原体が侵入した時に、すばやく免疫反応(液性免疫の抗体と細胞性免疫のキラーT細胞による免疫反応)を起こし、一度かかった伝染病に二度はかからない免疫力を獲得できるのです。
ワクチン接種によっても、ウイルスに感染したときと同じような免疫を獲得できます。ワクチン接種は自然感染と同じ仕組みで「二度なし現象」を起こします。しかし、ワクチンは自然感染のような病気は発症しません。従って、自然感染よりはるかに安全に免疫ができます。
そして、ワクチンを接種すると、1回目のウイルス感染の時から「二度なし現象」が起こり、ウイルス感染症を防ぐことができます。
すなわち、ワクチンの働きは病気を起こさずにウイルスに対する免疫力を獲得できる事にあるのです。
ファイザー社製の新型コロナワクチンはmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンという新しいタイプのワクチンです。
mRNAワクチンを作成するためには、新型コロナウイルスの受容体結合ドメン(RBD)を含んだスパイクタンパク質の配列を探し出し、その設計図であるmRNAを人工合成する必要がありました。そして、このmRNAを油のカプセルにくるんだものが新型コロナのmRNAワクチンです。
mRNAワクチンを接種(筋肉注射)すると、免疫細胞がスパイクタンパク質のRBDの特徴を記憶し、これと反応する抗体とキラーT細胞を産生され、新型コロナウイルスに対する免疫が獲得されます。
mRNAワクチンはコロナウイルス表面のスパイクタンパク質のみを体内に発現させ抗体やキラーT細胞を作るため、病原性がなく安全です。
新型コロナワクチンの有効率は100%ではありません。
ワクチンの効果は年齢や基礎疾患の影響を受け、個人差もあります。従って、ワクチンを受けても、新型コロナウイルスに絶対に感染しないという保証は全くありません。
また、新型コロナワクチン接種後の免疫力は約半年ぐらいで低下する事が明らかになり、6〜12ヶ月以内に3回目の接種が必要であり、その後も年1回の定期的な再接種が必要になることをファイザー社(新型コロナワクチンの製造元)が報告しています。
さらに、新型コロナウイルスに感染した患者さんのウイルス抗体も発症後3〜6ヶ月間は維持されますが、時間と共に低下します。
そこで必要なのは新型コロナウイルスに対する免疫力検査、抗スパイク抗体検査(抗S抗体検査)です。
新型コロナウイルスに二度とかからない「二度なし現象」に重要な役割を果たしているのが抗スパイク抗体(以下、抗S抗体)です。
抗S抗体にはウイルスを不活化する能力(中和能)があるとされ、S抗体が血中にあるとウイルスの感染能力をなくすことができると考えられています(注:S抗体を持っていることが感染しないことを100%保証するものではありません)。
コロナウイルスに特徴的な表面の突起を形成するスパイクタンパク質には、人細胞に感染する際に不可欠な受容体結合ドメン(RBD:receptor binding domain)が存在しています。RBDがヒトの肺や血管の細胞に存在するACE2受容体と結合することで、ウイルスは宿主細胞に侵入します。
このため、RBDに対する抗S抗体ができると新型コロナウイルスに二度とかからない「二度なし現象」が獲得されます。
当院の抗S抗体検査はスパイクタンパク質のRBDに対する抗S抗体を定量的に測定します。
ファイザー社製のmRNAワクチンもスパイクタンパク質のRBDの特異的に反応を誘導するように設計されています。
抗S抗体は新型コロナウイルス感染後に産生されますが、新型コロナワクチン接種でも抗S抗体が産生されます。
新型コロナ感染後、あるいは、ワクチン接種後に新型コロナウイルスに対する免疫(新型コロナウイルスに二度とかからない免疫)ができたかどうかを知るためには「抗S抗体検査」が必要です。
当院では「抗スパイク抗体検査(抗S抗体検査)」を常時行っております。抗S抗体の検査費用は8,800円(8,000円+消費税)となります。診察が必要な場合は初診料860円を別途申し受けます。検査結果は1週間後に御来院頂くか、郵送となります(郵送の場合は検査結果報告書をお送り致します。郵送料:370円)。
新型コロナウイルスPCR検査は、検査を受けた時点において新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる検査です。
過去に感染したことがあるかどうか(感染の既往)を知りたい方は「新型コロナウイルスIgG/IgM抗体検査」をお受け下さい。
ウイルスに感染すると体内の免疫細胞が反応して、ウイルスに対する抗体が作られます。新型コロナウイルスIgG/IgM抗体検査は、新型コロナウイルスだけに特異的に反応する抗体を調べる検査です。
新型コロナウイルスIgM抗体はウイルスに感染して1〜2週間後に陽性となり、おおよそ6週間で陰性になります。また、IgG抗体は新型コロナウイルスに感染して約2〜3週間後に陽性となり、3〜6ヶ月間以上陽性が続きます。
抗体検査の方法は、採血で行います。血液中の新型コロナウイルスに対するIgM抗体とIgG抗体を同時に測定し、採血の30分後には検査結果をお知らせすることができます。
IgM抗体とIgG抗体を同時に測定することにより、感染の時期もおおよそ分かる仕組みになっています。検査は有料となります。新型コロナウイルスIgG/IgM抗体検査の費用は15,400円(14,000円+消費税)です。診察が必要な場合は初診料860円を別途申し受けます。
新型コロナ抗体検査を希望される方はお電話でご予約(直通電話:03-5545-8177)をお願い申しあげます。予約時間は診療時間内となります。
新型コロナワクチン接種前からの新習慣「命の野菜スープ」(主婦の友社)
「新型コロナウイルスに感染するのは心配だけど、ワクチン接種はこわいので、できれば打ちたくない」という方もいらっしゃるでしょう。新型コロナウイルスのmRNAワクチンは新しいタイプのワクチンなので、どうすれば副反応を避け安心して受けることができるのか、その指針はまだ存在しません。
「副反応を少なくするために接種前にすべきことは何か」?
「ワクチンを打った後にすべきことは何か」?
「ワクチンの効果を高めるにはどのような方法があるのか」?
「新型コロナウイルスに感染しないためには、何をすべきか」?
「新型コロナウイルスの重症化を防ぐにはどうしたらいいか」?
このような疑問に対するヒントが「命の野菜スープ」にはあります。
「命の野菜スープ」は4つの野菜を使った誰にでも簡単に作れるスープです。このスープには、私たちの体に必要なビタミンA・C・E、食物繊維、ファイトケミカルが豊富に含まれています。ファイトケミカルは野菜や果物に含まれる天然の機能性成分。感染症やがんと闘う免疫力をアップする作用、アレルギーや炎症を抑える作用、血液をサラサラにする作用、抗酸化作用やデトックス作用などいろいろな機能を持っています。そして、「命の野菜スープ」には暴走する免疫、炎症、アナフィラキシーを抑える制御性T細胞(Treg)を活性化する力が秘められています。
普段からスープを飲んで、自身の免疫力をアップしておくことが大事です。ワクチンが打てるようになるまで、またワクチンの効果を高めて新型コロナウイルスの免疫をつきやすくするために、野菜スープを毎日の習慣にすることを強くおすすめします。
(本の購入はこちら:新型コロナワクチン接種前からの新習慣「命の野菜スープ」(主婦の友社))